REPORT

おやこ学部
ツリーハウス リノベ―ション。子どもたちが工具を使ってひたすら家づくり!

本物の工具を使ったものづくりって本当に楽しい。これは大人も子どもも一緒の根源的な欲求のようです。そして「ツリーハウス」というパワーワードは年齢に関係なく、誰もがワクワクしますよね。この日は数年前にプロと一緒に立てたツリーハウス的な建築物をリノベーションする日。

原っぱ大学に建つ建物は山の中の木造構造物の宿命として、徐々に朽ちていき、自然にかえっていきます。そうして廃墟になっていくのもまた悪くないのですが、ツリーハウスは高さがあるので、床が抜けたりすると大変危険。スタッフが修理してしまえば簡単と言えば簡単なのですが、それじゃ面白くないわけで…。プログラムとしてこの日に、子どもたちと一緒にリノベーションすることにしました。

リノベーションの第一歩は資材をみんなで運ぶことから。

リノベーション。一言で言えば簡単なのですが、私たちのフィールドは山の中にあります。そう、まずは材料を運んでくるところから「お仕事」がスタート。山の入口まで車で運んだ重たい角材を大人も子どももそれぞれが自分のキャパシティいっぱい、抱えてフィールドに向かいます。毎度、不思議なのですがこんなに単純な肉体労働なのですが、みんなで協力してやるとなんだか楽しいのです。そしてあっという間に大量の木材がフィールドにやってきます。(簡単そうに書いたけど、この労働だけで大人は結構クタクタ…です)

その後、子どもたちにインパクトドライバーの使い方を教えます。大工仕事の基本はトンカチと釘なのですが…。人が乗る構造物をつくるとなると、素人が打つ釘だとどうしても安全性を確保するのが難しくなるんですね。このあたり、いろんな考えがありますが、私たちはインパクトドライバーを使います。もちろん、使い方や安全性の考慮、年齢に応じたサポートをしつつです。

こうした本物の道具を子どもたちに渡して、真剣にものづくりをするときにいつも感じるのですが、年齢にかかわらず、こちらが真剣に伝えようとしていることは受け取ってもらえます。できるかできないかは別問題として、真剣に説明を聞いて、真剣に手を動かしている彼らの在り方は横で見ているととっても気持ちいいものです。

形にならないとすぐに飽きちゃうので基本構造は大人が考えちゃいます。そのうえで、子どもたちのアイディアを取り入れる自由さをどれだけもてるか、が原っぱ的ものづくりの腕の見せ所。子どもたちをただ指示に従がって手を動かす作業者にしてしまうとつまらないし、かといって全くの自由だとどこにもたどりつかないで、なんとなく「つまらなかった」という感覚だけ残ってしまうかもしれない…。

私たちが大切にしているのは、子どもたちの経験そのもの。失敗でも成功でもいいから、その時間が宝物になったらいいなと願いを込めて、手を出しすぎず、放置しすぎずのいい塩梅をいつも探っています。これは答えがなかなかないのですが…。

子どもたちは潮の満ち引きのように、たくさん集まってくることもあれば、さーっと引いていくこともあります。そんな風にいろんな子が入れ替わり立ち替わり参加して、徐々に、徐々にリノベーションが進んでいきます。その時間のなかでみんな、徐々にインパクトドライバーの使い方がうまくなっていく。最初はサポートが必要だったのにいずれ、一人で扱えるようになっている。

そんな彼らが淡々とインパクトドライバーを使って作業を進めている姿が、頼もしく、うれしく、なんだかちょっと感動してしまうのであります。

この日の作業ではこんなテラスができました。ゆくゆくはこのテラスを拡大して、大きなステージにしていくようです。このテラスやツリーハウスは、原っぱ大学が開催しているタイミングであればいつでもリノベ―ションや塗装が可能です。ものづくり好きな皆さん、ぜひ遊びに来てくださいね!

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