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原っぱ大学 働きごこちインタビュー Vol.2 秋山あや

 原っぱ大学の食に関するすべてをプロデュースする存在

広島県広島市出身、1995年よりNHK広島放送局に勤務
2003年に第1子出産と同時に退職、広島・東京・広島と夫の転勤で引っ越しが続く中、5児の母となる。

子育ての合間にコミュニティーFMで仕事を続けていたが、東京に居た3年間は長男・長女と共に青空自主保育でどっぷり子育ての日々を過ごす。このとき経験した「野外で子どもと過ごす日々」がのちの自身の活動に大きな影響を与えることになる。

2012年に葉山へ。5人の子ども達を育てながら自宅のキッチンを使った三方良しの料理の場“おひさまクッキング”がスタート。

当時4歳だった一番下の双子達を連れて、原っぱ大学の体験会に参加。「子どものお母さん」というカテゴライズではなく「私」という立場で関わるコミュニティーが欲しいという気持ちで、スタッフの門をたたく。
現在、原っぱ大学の各コースで「食のプロデューサー」として料理全般の仕事や場づくりを担当。リトルコース・セイシュンラボ・サボール・ベビーサボールのほか、コラボイベントなど含め毎月作るご飯は220食以上にのぼる。通称“アヤメシ”のファンは小さい子から親世代まで、多くの人たちの胃袋と心を掴んでいる。

すべての始まりはお母さんの井戸端会議

私には今5人の子どもがいますが、子育てはだいたい野外で行われていたんです。子どもが、というよりは、私自身が外に出たかったんです。暑い、寒い、雨が降っていることを理由に家から出られないのがなんだかイヤだったし、何よりも、我が子には親以外のたくさんの人たちに出会って欲しかったんです。小さいけれど、ひとりの「人」として扱ってくれるような大人と出会いたいなぁ、という気持ちで色んな所に足を運んだ先には、野外自主保育との出会いがありました。その出会いが、すっごく良くって!季節を感じながら育つことの豊かさを思い知らされたと言うか。1歳を過ぎた頃の長男が「くさいくさい」と言いながら銀杏の葉のじゅうたんを歩いているんですね。“ぎんなん”をくさいくさい、と言っているんですよ。そうやって身体いっぱいで季節を感じながら生きていけるって、幸せなことだなぁと思ってとても印象に残っています。

最初の子育てを野外自主保育でどっぷり過ごして、そのあとも繰り返し引っ越した先にたどり着いたのが葉山の地でした。それからすぐに始めた活動が、おひさまクッキングです。みんなで集まって、ひたすらに手を動かしながらその日の晩ご飯やお弁当のおかずを作ります。持ち帰り分(家族4人分ぐらい)を想定して大量のご飯が完成します。我が家は物理的に家庭で作るご飯の量も多いし、他の家には無い大きな鍋が常にあったので(笑)。たまには外食してランチを楽しむのも良いけれど、それぞれ家に帰ってまたご飯を作るなら、と考えて、みんなで晩ご飯を作ってランチタイムにつまんで。それを持ち帰ってその日の家族のご飯にもできたら「ちょっとお得な気分」になるんじゃないかな!という閃きで始めました。

女の人って手を動かしながら喋れるじゃないですか。お母さんにとって「井戸端会議」って必要だと思うんですよね。それも、“主体的な”井戸端会議。結論は出ないんだけど、「あーでもないこうでもない」「自分はこういうことを考えている」と話すことからすべてが始まる。家庭には、政治や教育、自分や子どもたちの生き方全てがある。食卓がその原点になれたら良いな、と思っていました。野外活動をしている友人とのおひさまクッキングでは、「山歩きをして野外調理をして、みんなで食べたいね」という話が出たこともありました。

その時に大事にしていたことが「参加する人に強制をしない」ということです。ご飯を作る場なんだけど、作りたかったら作れば良いし、作る気分じゃなければ作らなくても良い。今思えば当時のこの想いは、いま原っぱ大学で大事にしている「やっても良し、やらぬも良し」にも通じています。

今の仕事の出発点は「仲間と同じ釜のメシを食べたい、作りたい”」という想い

一番下の双子の子たちが4歳の頃に、原っぱ大学を知って一度体験に行ってみました。まだ我が子が小さかったので参加は見送ったんですけど、子どものお母さんとしてではなく、「私」という立場で関わることができないか?とスタッフ志願をしました。以前の野外保育での経験が原っぱ大学で活かせたらいいな、という気持ちもあって。それで働き始めたんですけど、スタッフがお昼にそれぞれ色んなご飯を持ってきて食べているのを見た時に「同じ釜の飯を食べたらみんなが良いコミュニケーションをとるきっかけになるかも知れない」と思って、まかない飯を作らせてほしい、とガクチョーにお願いしました。何より私がやってみたくて。お弁当の形で用意したり、焚き火で鶏飯を作ったりして色んなご飯をスタッフのみんなで食べるようになりました。

ご飯と共に作っているのはお母さんの余白 お母さんを子どもに返したい

2歳から4歳の親子を対象としたリトルコースが始まり、参加者のみんなと一緒に食べるご飯をたくさん作るようになりました。同じ釜のメシスタイルで、みんなと食べるのは大きなお鍋で作った旬の野菜の味噌汁とおにぎり。小さい子と出かけることって、大変ですよね。ご飯の用意して着替えを準備して。その気持ちが分かるからこそ、私は小さい子を連れたお母さんが一歩外に出ることのハードルを「昼ご飯の心配をしなくて良い」という形でとにかく下げたかった。

これは単に「ご飯を代わりに作りたい」「外に出るきっかけを作りたい」というだけの話ではなく、突き詰めるとその先には「お母さんを子どもに返したい」という気持ちがあって。ご飯を作る時間が空いた分、子どもと一緒に出掛ける準備が出来たり、時間を気にしてガミガミ怒らずに済んだり、目の前の我が子を見る余白が出来る。そうやって、お母さんに生まれた余白は、子どものためや自分のためにたっぷりと使って欲しい。

お母さんは、お母さんである前に「自分」でいて欲しいという気持ちがあります。すべてを子どものために注ぐのではなく、自分のために時間を使いたい時や、頑張りたい時があると思うんですね。そのバランスをどう保つのか、とても難しくて私も散々模索しました。誰もが悩むことだとは思うのですが、それでもやっぱり、子どもと一緒に居る時は、目の前の子どもとゆったりと過ごしてほしい。お母さんが少し余裕のある状態で共にいるということが、子どもの未来に繋がる。そのために出来ることが、私にとって野外で料理をすることだったんです。
まぁ、完全に“流れ”ですけどね(笑)

原っぱ大学に遊びにくる子どもたちは、いつもアヤメシをたくさん食べてくれます。「普段食べない野菜も、あやさんが作るご飯だと食べる!」などの嬉しいお声も頂きますが、小さい子どもにとって一番嬉しい食事は、お母さんと一緒に食べるご飯なんです。どんなに手抜きだとしても、それがお惣菜であったとしても。世のお母さんが、育児や家事の手助けを求めたり、サービスを利用した場合、時として「楽ばかりして子育てを放棄している」と批判されることもあります。これは、子どもを育てる親にとって、本当にしんどいことです。
私はお母さんたちに「たまには余白を作って良いんだよ。私はあなたの二番手として応援するよ」という気持ちを込めて、これからも、たくさんのご飯を作っていきたいですね。

我が子との時間も大事に 好きなことも苦手なことも、自分をまるごと受け入れた結果“今”がある

我が家は子どもの数が多いので、子ども達が小さい頃は、自宅を中心に仕事が出来ることが本当にありがたかったです。子どもとの日常の中で仕事ができて、自分の働く姿を見せられたことはとても良かった。今では子どもたちも大きくなって、私が仕事に対して大事にしている“想い”の部分まで分かってくれているような気がします。上の子達は高校生になって、原っぱ大学でお手伝いをするようになり「我が子をひとりの人として扱ってくれる大人に出会って欲しい」という願いが叶っています。それは、私にとってだけでなく、子どもたち自身にとっても嬉しいことのようで、親子共々感謝しています。

前職の頃は、「求められたことに応えたい」という気持ちで仕事をしていたんですけど、今では「やってみたいから」「好きだから」という主体的な理由で動いている自分を感じています。スタッフのまかないから始まって、最近ではベビーを連れたママたちの場“ベビーサボール”を立ち上げたり、横須賀市衣笠にある“ありんくりんの森”で古民家再生のDIYスクールプロジェクトの食事を担当したり、野外活動をしている友人とコラボ企画を開催するなど、まさに「やってみたい」というシンプルな気持ちからご縁が繋がったことばかりです。原っぱ大学は「やってみたい」という気持ちに対してとても寛大です。原っぱ大学で働き始めてから、自分から溢れるアイデアを何もせきとめるものが無いと思います。ずっと、受け身ではなく主体的で在りたいという想いがあったので、今はその価値観を体現できる働き方が出来て嬉しく思っています。

ちなみに、後片付けとか経費の精算とか、きっちり量を計算して材料を買うこととか、苦手なことが私には山ほどあります。それでもなんとかやってこられたのは、やっぱりこの仕事が好きだから。
苦手なこと、好きなこと、私としての自分、お母さんである自分を全部まるっと受け入れた結果、今ここにたどり着いているような気がします。

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